コーヒーの抽出方法について
ペーパードリップ
ペーパードリップは, コーヒーの抽出方法において, 最も一般的な方法である。また抽出方法の分類の中では, 透過式に分類される。
抽出方法の詳細は, あらかじめ温めたコーヒーサーバー(画像下)とコーヒードリッパー(画像上)を用意して, そこにコーヒーフィルターを乗せる。その際コーヒーフィルターの折り目は折っておき, その上からコーヒー粉:水=1:12の割合で中細挽きしておいたコーヒー粉を乗せることとする。 次に沸騰から1分ほど放置したコーヒーケトルのお湯を少量20mlほど注ぎこむ, それから30秒ほどコーヒー粉を湿らせた状態で放置し(蒸らし), その後2,3回に分けてコーヒーのお湯を規定量より少しおおめを目安に注いでいく。 その際, 中央から「の」の字を描くように注ぎこみ, 湯がフィルターに直接かからないようにしながら, コーヒー粉が形成する窪んだ形を極力くずさないように入れていく点に注意する。 規定量に達したら, コーヒーの雑味やただの色水とかしたコーヒーにより薄まらないよう, すばやくドリッパーを外す。 これにてコーヒーが完成する。
味の特徴としては, 最もスタンダードな味わいであり, かつ透過式でフィルターを介していることからも, 紅茶のようなスッキリとした味わいとなる。コーヒーの味の要素である。苦味, コク, 酸味, ボディーに関しても, 全方面の味がまんべんなく抽出されるため, どれも楽しめることができることが良い点の一つでもある。 抽出方法の特徴として, 最も入れる人の力量, 技術に左右される淹れ方ともされ, 生涯に渡って, その淹れ方を研究していく楽しみがあることは間違いないだろう。ちなみに筆者は, この抽出方法を初めて行い, かれこれ3年は経過するが, まだ完璧とは行かないほど奥が深いのである。
サイフォン
サイフォンは, よく喫茶店の店頭におかれていることが多いため, 喫茶店の道具だと思う方もいるかもしれないが, 実は家庭でいれるのに対しての敷居はそれほど高くはない。
抽出方法は, あらかじめ温めておいたコーヒーサイフォン(フラスコと漏斗)と, 濾過器, 竹べら, アルコールランプ(中にメタノールを入れておくが, 劇物なため注意)を用意し, コーヒー粉:水=1:13くらいの割合で, 濾過器をセットした漏斗にコーヒー粉を入れておく。 次に, この漏斗をフラスコに斜めに差し込み, お湯を入れたフラスコを下からアルコールランプなどで温め沸騰させる。(この際, 斜めに差し込むのは突沸を防ぐためである)沸騰したら, 漏斗をまっすぐに差し込み, 水が蒸気圧により上に上がってくるのを待つ。 上に1/3の分量程度上がってきたら, 竹べらで軽くコーヒー粉をつつき, 湿らせたあと, 前後に水をゆすり, コーヒー粉を沈めさせたのち, くるくる回転させて攪拌する。攪拌終了後, 40秒が経過したら, 火を止め, 水が下がり始めることに竹べらで2回目の攪拌を行う。(物理的にはフラスコが真空状態になり, 上から漏斗を通じて大気圧に押されることで, 内部に吸引される仕組みとなっている) こうしてコーヒーが下に落ちたら完成である。
味としては, あまりコーヒーの抽出に技術は必要なく, 誰でもおいしく入れられるようになっている。コーヒーの味の要素である。苦味, コク, 酸味, ボディーに関しては, 苦味, コク, ボディーに重きが置かれることとなる。
フレンチプレス
フレンチプレスは, コーヒーの抽出方法において, あまり馴染みがない人が多い淹れ方であり, 万人受けするとは言えない側面があるが, 良質な豆を用いると, 大変美味しいコーヒーを淹れることができる抽出方法でもある。また, 紅茶を入れる道具として, 日本においては有名であるが, もともとはコーヒーを淹れるための器具であった点については誤解なきよう。
抽出方法は, 最も簡単と言っても過言ではない。(もちろんコーヒーメーカーなるものはあるが)方法としては, まずあらかじめ温めておいたフレンチプレスを用意し, そこにコーヒー粉を入れる。その際の分量は, お好みで調節可能だが, 筆者はコーヒー粉:水=1:15くらいの割合で入れる。 次に, 湯を注ぎ始める訳だが, 湯は2回に分けて注ぎ込む。1回量は, 湯の規定量の半分程度を目安とし, 注いだあとは30秒間蒸らす。2回目を注いだら, 蓋を閉じ, 約2分間放置する。2分経ったら, プランジャー(フィルター付きの棒)を押し下げ, コーヒー粉とコーヒー液とを分離させる。 なんとこれだけ。カップラーメンを作る感覚で完成である。
味の特徴としては, シンプルな淹れ方だけに, 最もコーヒー豆の味がストレートに抽出され, さらには上記の方法でフィルターで遮られてしまっていた, 旨味成分を含むコーヒーオイルの味も味濃く体験することができる。そのため, かなり個性的かつ野性的な味となっているため, 好みは分かれやすいが, 筆者はそこそこ好きな味である。 また, 味が濃いだけに, アイスコーヒーにも最適であり, 他の淹れ方に比べて圧倒的に美味しいアイスコーヒーが出来上がる。なお, コーヒーの味の要素である。苦味, コク, 酸味, ボディーに関しては, 苦味, コク, ボディーに対し, サイフォンの1.5倍くらいの重きが置かれることとなる。